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人材不足に悩む介護従事者さんへ当サイト管理人も長く介護の世界で仕事をしてきました。そして仕事を通して様々な経験を積んだり自分なりに勉強をしてきたりしました。そうするなかで介護を取り巻く社会の状況に危機感を感じ、当サイトを開設するに至っています。なお当サイトに対してご要望や質問がありましたらこちらまでご連絡願います。
今日本では大変な勢いで少子高齢化が進んでいると言われています。しかし、少子高齢化の何が問題なのかはきちんと理解されていると言えません。そこでまず少子高齢化がどのような問題を日本社会に対して起こしてしまうのかということをおさらいしていきましょう。
少子高齢化によって生じる問題の1つ目は、日本の国家財政の破綻問題です。今日本は国家として1000兆円を超える借金を抱えており、これは世界中の国々の中でもダントツの金額です。日本は世界でも第3位の経済大国ですので、経済規模の小さい国に比べればマシだという意見もありますが、それでも借金のGDP費もダントツの1位であり、深刻な状況といえるでしょう。
今のままでもこの国家財政の問題は大変大きな問題ですが、このまま少子高齢化が進めば働く人が少なくなり、当然GDPなどの経済規模も縮んでしまいます。そうなれば政府の税収もますます少なくなってしまうので、少子高齢化が日本の借金問題に拍車をかけてしまう可能性が高いのです。
少し前にギリシャ危機などがありましたし、もっと以前にはアジア経済危機による韓国の破綻などがありました。もしかしたら日本もそうなってしまうかもしれません。
国家財政の破綻や国の借金の問題以外に、もっと身近な問題として公的保険制度や医療体制、それに年金などの社会保障制度が維持できるのかという問題も生じてしまいます。例えば日本の年金制度は積立方式ではなく、現役世代が納めている年金がそのまま現在の高齢者に渡る仕組みを採用しています。この制度は人口が綺麗なピラミッド構造を描いていた戦後直後や高度経済成長期には優れた仕組みでした。簡単に高齢者の生活維持ができたからです。
しかし、デフレ経済の結果、経済成長率も悪化し高齢者と若年層の人口比率が逆転しそうな日本においては、このような年金制度を維持することは難しいと言えるでしょう。
年金制度の他にも医療関連の制度なども、高齢者の方が若い人より医療需要が多い為、このまま高齢化が進み人口における高齢者の比率が上がった場合、需要が供給に追いつかずに医療関連の制度がパンクしてしまうかもしれません。
このように少子高齢化は日本社会に様々な問題を引き起こすことが予想されており、早期の対策が求められています。例えば子供が欲しいのに産むことができない人の為に不妊治療に関連する補助金の金額を増やしたり、若い人が子供を産み育てても良いと思えるような社会作りに真剣に取り組み努力をするべきでしょう。
「介護の質」は、介護する側とされる側どちらにとっても大切であり、常に社会の課題として取り上げられるテーマです。介護をする側に心の余裕がないと、良質な介護の提供は難しくなります。そこで、理想の働き方が叶う転職をとおして、介護の質を向上させるのは賢明だと言えるでしょう。しかしながら、転職すればすべてがOKというわけではありません。介護従事者の働き方が及ぼす「介護の質」のあり方に目を向けつつ、社会全体の問題として捉えることが大切です。
少子高齢化による問題の1つは労働力の不足です。現在この問題を補うために企業による定年の延長など様々な試みが行われています。実際に成果も上がってきていますが、より高齢者ならではの価値を発揮してもらうことが今後の課題と言えます。