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人材不足に悩む介護従事者さんへ当サイト管理人も長く介護の世界で仕事をしてきました。そして仕事を通して様々な経験を積んだり自分なりに勉強をしてきたりしました。そうするなかで介護を取り巻く社会の状況に危機感を感じ、当サイトを開設するに至っています。なお当サイトに対してご要望や質問がありましたらこちらまでご連絡願います。
引用:厚生労働省
2023年から2025年にかけて起こる団塊の世代の後期高齢者化によって、日本の介護職の人員は大きく不足すると言われています。もちろん将来の話なので推計値でしか語れないのですが、今後の介護職の人員増加を加味したとしても、40万人ほど不足するだろうと言われているのです。
2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について これは厚生労働省が発表した介護人材の需要供給見込み、需供のギャップを数字化したものです。実際にこれだけの人員の不足が生じてしまった場合、老老介護や認認介護などの問題は避けられません。しかしそれは日本人の生活の質を下げることに直結してしまいます。この問題はなんとか解決する必要があると言えるでしょう。
こうした事態を政府も重く捉えており、介護施設など介護職の人員を必要とする施設の採用支援などを行っています。こうした支援は様々な切り口で行われているのですが、その1つが介護職員と介護施設のマッチング支援です。介護職に就きたいという方を増やすための啓蒙活動と言いかえても良いでしょう。
例えば各都道府県の福祉人材センターに専門のマッチング相談員が配置されるなどしています。また介護職への就職に潜在的な関心を持っている層を掘り起こすための施策として学校などでの説明会の開催などにも力が入れられています。介護の仕事には残念ながら良いイメージを抱いていない人も多い為、こうした地道な活動が重要だと言えるでしょう。
また介護の仕事に就くことに高い関心を抱いていても、必要な資格を取得するための学資がなく将来の希望を諦めてしまっているような人も大勢いますので、そうした方向けの学資支援なども行われています。
介護職の人材確保とは、決して量だけの問題ではありません。当然優秀な方に就職してもらう必要がありますし、介護士として現場を支える方の他にケアマネージャーやソーシャルワーカーなどの形で介護を支える存在も必要です。
そうした人材の不足を補う為には、人材育成の体系整備やキャリアパスの確立などが欠かせません。そのために介護職員初任者研修の創設などを通した研修体系の一元化や認定介護福祉士の仕組みづくりなどが行われています。
介護施設による介護職員の採用が伸び悩んでいることの背景には、離職率の高さという問題も潜んでいます。せっかく介護職を志望し就職する方が増えても、すぐに辞めてしまう方が多ければ意味がありません。
離職率の改善は特に重要度の大きな課題であり、処遇改善のための介護報酬における介護職員処遇改善加算の創設や労働環境改善などの働きかけが行われています。
「介護の質」は、介護する側とされる側どちらにとっても大切であり、常に社会の課題として取り上げられるテーマです。介護をする側に心の余裕がないと、良質な介護の提供は難しくなります。そこで、理想の働き方が叶う転職をとおして、介護の質を向上させるのは賢明だと言えるでしょう。しかしながら、転職すればすべてがOKというわけではありません。介護従事者の働き方が及ぼす「介護の質」のあり方に目を向けつつ、社会全体の問題として捉えることが大切です。
少子高齢化による問題の1つは労働力の不足です。現在この問題を補うために企業による定年の延長など様々な試みが行われています。実際に成果も上がってきていますが、より高齢者ならではの価値を発揮してもらうことが今後の課題と言えます。